• 月曜日 , 27 3月 2017

「腎」と「腎臓」の概念は違います。

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鍼灸、東洋医学や中医学などの考えの中で西洋医学と比較してどうしても避けては通れない壁が「臓器の働き」の違いでしょう。西洋医学一辺倒で医療を学んできた方には東洋医学の臓器の働きの違いにとまどいを隠せないということはよくあることです。肝臓は東洋医学では「肝」。心臓は東洋医学では「心」。脾臓は東洋医学では「脾」。・・・と東洋医学では「臓」という言葉をつけないで表現することが多いです。今回はその中でも腎臓、東洋医学的に言うところの「腎」にスポットを当ててみます。

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西洋医学的な「腎臓」の働き

腎臓は空豆のような形をし、左右対になって人間の体に存在します。大体人間のゲンコツ、握り拳ほどの大きさです。

1.体内の老廃物を外に出す

腎臓は血液をフィルターのようなもので濾過し体内に溜まった老廃物や不必要な塩分を液体、いわゆる尿として体外に追いやってくれるという働きがあります。
さらに、体内に必要なものはもう一度吸収して、再度体の中に留まらせるという働きもあります。
腎臓の動きが鈍いと尿が出なくなり、体内に不必要な老廃物や毒素が体に溜まります。それを尿毒症と言います。

2.血圧の調整をする

腎臓は体内の塩分と水分のバランスを調整し、血圧を一定に保ちます。

血圧が上がっている時は塩分と水分を出す量を増し、血圧を下げます。また血圧が下がっている時は塩分と水分を出す量を減らして血圧を上昇させます。

よって塩分の取りすぎというのは腎臓に負担をかけます。だから塩分の取りすぎには注意が必要だとみんな声をそろえて言うのです。

3.血液を生成する指示役

血液の元となっているのは赤血球です。赤血球は骨髄の中の骨芽細胞が腎臓から出るホルモンの刺激により生成されます。

腎臓の働きが悪くなると、このホルモンが出なくなりますから結果的に血液が体内で少なくなり貧血となるのです。

4.体内の体液量を調節

腎臓は体内に存在する液体の量、すなわち体液量だったり+(プラス)-(マイナス)のイオンバランスを調節します。

さらに人間に必要なミネラルを取り込む機能も持っています。

よって体液量の調整が取れないと「むくみ」となったり「水太り」などの状態になります。

5.頑丈な骨を作る

意外に知られていないかもしれませんが、骨の発育に腎臓は大きく関わっています。骨に重要なカルシウムを体内に吸収させるのに必要であるビタミンDを作ります。

腎臓の機能が低下すると骨が弱り、骨粗しょう症や骨折の原因となります。

東洋医学的な「腎」の働き

1.腎は精を蔵し、生命力の根源である元気をもたらす

人間の体のエネルギーを「気」と呼びますが、「精」も同じような考えを持ちます。

「精」は大きく分けると2種類あり、親、父母から受け継いだ遺伝的な精を「先天の精」と呼び、飲食物を中心に補充される精を「後天の精」と呼ばれています。

「腎」は特に「先天の精」を内臓しており、「後天の精」によりエネルギーを補充されているという考えがあります。

2.津液を主り、全身の水分代謝を調節する

津液とは簡単に言うと「体液」、すなわち体の中に存在する水分のことですが、東洋医学では不要となった水分や過剰な水分を腎で集めて処理、排泄するという考えがあります。これは西洋医学的な腎臓の働きと酷似します。

3.骨を主り、その状態は髪に反映する

腎が骨をコントロールし、骨に栄養を与えているというのも西洋医学的な腎臓の考えと同様です。

腎が正常であれば骨も歯も丈夫になり、また髪も黒々としてよく伸びるとされます。

よって腎のエネルギー不足になると発育が遅れたり、歯に異常を来たしたり、白髪、脱毛などが見られます。

4.耳と二陰に開竅する

腎は耳を介して外の情報を読み取っているとされています。老化などで腎のエネルギーが不足すると難聴、耳鳴りが起こるとされています。

また、腎は水分を調整するという働きもありますので、大小便となって体外に排出されます。二陰とは小便と大便の2つのことを指しています。

5.腎の液は唾である

東洋医学の考えで「五行論」という考えがあります。五行論については「〇〇」の記事を参照して頂ければと思います。

五行論に基づいた「五行色体表」という表が存在しますが、木、火、土、金、水の5つの内で「水」に対応する臓器が「腎」であります。

これを「五液」という人間の体の水分を五行色体表に当てはめると「唾(つば)」となるのです。よって唾に異常を来たした場合は「腎」にトラブルがあると考えて良いという考えです。

「腎」の機能を整える主な経穴とは

やはり腎の機能を正常に戻す経穴で最も有名なもののひとつは「腎兪」ではないでしょうか。

さらに第2腰椎棘突起下縁の「命門」やその左右の延長線上の「志室」も「腎」には非常に有効です。

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私の経験上、単純な腰痛、ぎっくり腰はもちろんんのこと、陽萎(インポテンツ)や勢力減退、老化に伴う疲労感、倦怠感などがある時に灸頭鍼などをすると効果が出やすいです。

鍼を「瀉」、灸を「補」と考えると腎精不足には「灸」が合うことが多いという考えもあるので温熱刺激をすることで腎のエネルギーを蓄えられるでしょう。

人間の生命力の根源とされる「腎」。治療する上での大事なポイントとしてみてはいかがでしょうか。

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トップ・アイキャッチ画像引用元:Illust AC acworksより


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